スコアリングモデルの継続的改善

  
  • 与信管理サービス「ニューロウォッチャー」では、経済状況によって変化する企業倒産の動向を反映させるため、格付判定の心臓部である信用スコアリングモデルの見直しを毎年行っております。
  • 2020年10月16日(金)を以って、以下の通り、スコアリングモデルを新しいモデル(2020年モデル)に移行します。

1.新モデルへの移行スケジュール

  • システムメンテナンスによるサービス提供の休止
  • 新モデルによるサービスの再開

2020年10月15日(木)19:00から 翌16日(金)9:00まで

2020年10月16日(金) 9:00から

2.現行モデルの評価(下表参照)

  1. 東京商工リサーチ社の全国企業倒産状況によると2019年の倒産件数は約8,383件となり、倒産件数はリーマン・ショック時の2008年(1万5,646件、前年比11.0%増)以来、11年ぶりに前年を上回りましたが、1990年以降の30年間で1990年(6,468件)、2018年(8,235件)に次ぎ3番目に少ない水準となっております。ニューロウォッチャーで格付可能な企業をみると、倒産件数は前年同期より32件減少し1,883件となっております。
  2. ニューロウォッチャーの直近の倒産率の実績においては、倒産件数の減少及び、格付可能企業数の増加の影響により低下傾向が続いております。

直近12ヶ月(2019/9~2020/8)

格付 1 2 3 4 5 6 7 8 9 合計
倒産率 0.03% 0.01% 0.04% 0.08% 0.14% 0.19% 0.29% 0.54% 1.10% 0.18%
倒産件数 7 9 53 141 287 330 369 349 338 1,883
平均企業数 24,757 77,984 132,926 186,610 209,416 169,552 125,430 65,045 30,786 1,022,506

注)倒産率実績を算出したデータ(企業数、倒産件数)の詳細については、「過去の倒産実績」をご参照下さい。

注)倒産率の対象となる企業はニューロウォッチャーで格付可能業種、期間のみであります。

3.新型コロナウイルス関連倒産状況

東京商工リサーチ社の情報によると、「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が判明している件数は9月末現在で2月からの累計で541社となっています。政府や自治体の資金繰り支援効果により一時減少傾向にありましたが、8月以降増加傾向がみられます。但し全体の倒産数は減少傾向となっていますが、コロナ関連倒産の比率は高まっています。今後も事業環境の悪化が続くようだと、体力のない中小企業からの経営破綻が懸念されます。

コロナ禍において減収・減益を余儀なくされる状況が続く中であらゆる業種で体力のない企業から倒産が発生する可能性があります。 顧客の減少、インバウンド需要消失、旅行、出張の自粛などの要因により特に、アパレル、飲食、宿泊業については今後も注意が必要になってきます。

4.新モデル(2020年モデル)の特徴および改善点

上記の評価結果を踏まえ、以下の通りスコアリングモデルの変更を行いました。

  1. コロナ禍において中小企業支援策は一定の効果はありましたが、今後も売上が伸びない状況が続くと予想される中、中小企業はより厳しい資金繰りが続きます。減収減益の中、手元資金が乏しい企業はより厳しい状況となるため、企業の体力(資本、流動性、支払能力)を重視し、今年度のモデルを構築しました。
  2. 今後1年間の倒産件数はコロナによる倒産はありますが、件数的には昨年と比べても急激な増加はなく、前年同様8,400件程度(法人倒産のみ、個人事業主の倒産は除く)で推移するものと予測して格付判定の基準を設定しました。
  3. 新モデルでは現行モデルと比較して57%の企業に変化があります(40%が1段階の変化)。その比較については下記のとおりです。

格付が改善する企業・・・24.1%(うち1ランク改善18.7%)

格付に変化ない企業・・・43.1%

格付が悪化する企業・・・32.8%(うち1ランク悪化21.7%)

業種(6業種分類)別現行モデルとの判定結果比較表

業種 建設 製造 小売 サービス その他 全体
格付が2段階以上改善 4.4% 3.1% 4.3% 6.3% 9.0% 6.1% 5.5%
格付が1段階改善 17.8% 14.6% 20.6% 15.3% 21.4% 20.8% 18.7%
格付に変化なし 53.7% 42.1% 43.4% 33.4% 37.9% 38.7% 43.1%
格付が1段階悪化 17.3% 27.1% 21.4% 23.5% 19.7% 24.0% 21.7%
格付が2段階以上悪化 6.8% 13.1% 10.3% 21.5% 12.0% 10.4% 11.1%

5.新旧スコアリングモデルの詳細比較

2020/9 評価用データによる比較

格付 1 2 3 4 5 6 7 8 9 合計
登録企業数(①)
(2020/9)
2019年モデル Aモデル 10,316 26,163 39,755 58,976 65,419 52,750 34,941 19,333 14,183 321,836
Bモデル 14,506 50,793 90,761 126,388 143,253 115,542 88,785 45,179 17,129 692,336
A+B(①) 24,822 76,956 130,516 185,364 208,672 168,292 123,726 64,512 31,312 1,014,172
2020年モデル Aモデル 8,653 24,132 40,187 55,843 71,782 53,235 36,439 17,736 13,829 321,836
Bモデル 14,560 44,241 73,549 117,691 136,587 120,703 107,157 59,082 18,766 692,336
A+B(①) 23,213 68,373 113,736 173,534 208,369 173,938 143,596 76,818 32,595 1,014,172
倒産件数(②)(2019/9~2020/8) 2019年モデル(②) 7 9 53 141 287 330 369 349 338 1,883
2020年モデル(②) 1 14 37 131 264 288 419 382 347 1,883
倒産率(②÷①) 2019年モデル倒産率 0.03% 0.01% 0.04% 0.08% 0.14% 0.20% 0.30% 0.54% 1.08% 0.19%
2020年モデル倒産率 0.00% 0.02% 0.03% 0.08% 0.13% 0.17% 0.29% 0.50% 1.06% 0.19%

Aモデル:財務情報・企業情報に基づいて判定

Bモデル:企業情報に基づいて判定