社長メッセージ
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
当連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)におけるわが国経済は、コロナ禍の3年間を乗り越え、雇用・所得環境が改善するなど、緩やかな回復基調となりました。景気の先行きについては、30年来続いてきた「コストカット型経済」から、持続的な賃上げや活発な投資がけん引する「成長型経済」への変革が期待されるものの、原材料価格の高騰や、中国経済の先行き懸念などにより、依然として不透明な状況が続いております。
当社グループが属します情報サービス産業におきましては、地方公共団体の基幹業務システム標準化推進や、老朽化が懸念される民間企業の基幹システム刷新、および官民を問わず、生成AIの活用をはじめとしたデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の更なる加速が期待されております。また、組織を標的としたサイバー攻撃による被害が増加し、自社の防衛策のみならず関係する外部組織も含めたセキュリティ対策の重要性が高まっており、今後も中長期的に市場規模の拡大が継続するものとみられます。
このような経営環境のもと、当社グループの経営計画の2年目となる当連結会計年度におきましては、ソフトウエア開発をはじめとする大型案件の確実な遂行、「さいたまiDC」による情報処理サービスやインフラ・セキュリティビジネスの拡大、およびSDGs推進による社会課題の解決に向けたDXソリューションの販売強化等に注力し、順調に受注を獲得してまいりました。
事業戦略面では、自治体システムの標準化対応を推進するとともに、クラウド型のメール情報漏えいを防止する「GUARDIANWALL Mail セキュリティ・クラウドサービス」や、「標的型攻撃メール対策セキュリティ研修動画」の提供開始などにより、情報セキュリティに関連するビジネスの強化を図ってまいりました。あわせて、委託先事業者の情報セキュリティ対策調査や、リスク管理業務を支援するサービスである「サプライヤー・マネジメント・クラウド」を企画・開発し、2024年4月8日より提供を開始いたしました。
組織体制面では、経営戦略と連動した「人事戦略」のもと、社員のエンゲージメントを高めるべく、組織の状況や課題を把握する「組織サーベイ」、個人のコンディションを把握する「個人サーベイ」、上司と部下の相互理解・関係構築を醸成する「1on1 ミーティング」を、新たに開始いたしました。また、当社グループは、「AGSグループ健康経営宣言」のもと、特定検診の補助、過重労働対策、およびメンタルヘルスケアなど、社員個人の健康活動を支援してまいりました。あわせて、テレワークやフレックス制度をはじめ、多様な働き方に対応した制度を整備し、働き方改革を推進しております。これらの取り組みが認められ、経済産業省と日本健康会議が共同で選出する「健康経営優良法人 2024(大規模法人部門)」に7年連続で認定され、総務省が主催する 「テレワークトップランナー 2023 」に選出されました。
社会貢献活動では、中学生と地元企業のコラボで地域を探究する産学連携プロジェクト「さいたまエンジン」への参画、さいたま市との共催イベントとして「秋の自然観察・環境学習会」の実施、および埼玉県秩父市にて「AGSグループ森林づくり活動」を実施いたしました。あわせて、「NPO法人フードバンク埼玉 」および 「 埼玉県社会福祉協議会 」への食品寄贈や、さいたまユースサポートネットへの寄附などにより、持続可能な地域社会の実現に向けた課題の解決や、地域社会の発展に寄与する活動に取り組んでまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、システム機器販売が減少したものの、他のセグメントが堅調に推移したことから、売上高は22,092百万円(前連結会計年度比4.9%増)となりました。
利益面では、売上高の増加や生産性の向上、および前連結会計年度に発生した低採算案件の収束などにより、営業利益は1,272百万円(前連結会計年度比45.6%増)、経常利益は1,286百万円(同41.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は936百万円(同37.2%増)となりました。
今後も、企業理念に掲げているとおり社員一人ひとりがスペシャリストとして誇りと責任を持って行動し、柔軟な発想と最先端の技術を提供することで、お客様のビジネスパートナーとなることを目指します。さらに先進的なITソリューションの提供を通じて、豊かな社会の実現に貢献していく所存であります。
皆様におかれましては、引き続き変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。