- 導入事例
加須市様の導入事例
pipitLINQ差押電子化サービス

加須市様では、2022年12月より預貯金等照会業務をデジタル化する「pipitLINQ預貯金等照会電子化サービス」のご利用を開始されました。2024年4月からはオプション機能として追加された差押業務の一部を電子化し手続きを短縮する「pipitLINQ差押電子化サービス」をご利用いただいております。今回は、サービス導入の経緯や検討時における選定のポイント、導入効果等について加須市役所・収納課の皆様にお話を伺いました。
滞納整理事務の効率化へ
―「pipitLINQ預貯金等照会電子化サービス」を知ったきっかけ、導入に至るまでの経緯を教えてください。
導入前は、郵送で預金調査を行っていました。郵送後、金融機関から結果が返送されるまで最長3ヶ月程度かかることもあり業務改善を考えていたところ、AGSの営業担当者から「pipitLINQ預貯金等照会電子化サービス」の説明をお聞きしました。9月補正予算を獲得し12月から導入しました。市役所は予算の縛りがあるので即断即決は難しいです。しかし、予算取りから実行までに、期間が空いてしまうと状況は変化してしまいます。特に、DXは日々進歩しており、予算化プロセスを待つと遅れてしまいます。預貯金等照会サービスの導入は県内で遅い方でしたので、今回の新サービスについては加須市が最初に導入したいと考えていました。―「pipitLINQ差押電子化サービス」を検討されたのは、いつ頃、どんなきっかけですか?
2024年1月にpipitLINQの状況について確認しようと、NTTデータのホームページを閲覧していた際に、差押サービスが掲載されていたことがきっかけです。即座にAGSの営業担当者に問い合わせをしました。差押サービス自体は少し前に発表されたようですが、連携している金融機関がまだいなかったということで、公に営業活動をしていなかったようです。そこから運よく第1号として埼玉りそな銀行が参加することを教えていただき、サービスの説明を受け、すぐに導入を決めました。―いち早く「pipitLINQ差押電子化サービス」を導入した決め手は?
決め手は、利用開始年度中無償で利用できる特別キャンペーンです。自治体は予算に厳格で、新しいことを導入するのが難しいのですが、当該キャンペーンがあることですぐに導入できました。これは素晴らしい戦略だと思います。また、既存システムの導入の際は、既に標準が定められていることが多いですが、今回のように先行団体として相談をしながら開発を進める場合、希望や要望を組み込んでいただけると考えました。―検討から導入までかなりスピード感があったのですね。
新しいことを最初にやることに意義があると思います。特に、DX関連の情報には高いアンテナを張っています。今回の「pipitLINQ差押電子化サービス」の導入については新聞にも取り上げていただいたのですが、それを見た他の団体からも問い合わせをいただきました。― 最終的に「pipitLINQ差押電子化サービス」をお選びいただいた理由について教えてください。
一番の理由は、業務改善・効率化ができることです。国でもDXの推進は謳われていますが、滞納整理事務においてはDXは進んでないのが実態です。税金の滞納整理は地方自治体の財源確保のために不可欠であり、その事務を改善・効率化するということは重要だと考えます。また、「pipitLINQ差押電子化サービス」を導入したからといって差押えの件数が増えるわけではありません。人材不足、働き方改革の推進をしている市役所の中で少しでも事務の効率化を進め、作業時間を軽減することで他の業務に時間を割くことができます。
お客様に寄り添ったサービス向上のために
―差押業務で感じていた課題はどのような点でしょうか。
差押えは、債権差押通知書を金融機関が受け取った時点で成立します。今までの差押方法は、臨店、もしくは郵送するかの2点でした。臨店の場合は職員が外出してしまうので、窓口でのお客様対応ができません。また、郵送で行った場合でも差押えが失敗するケースがあります。例えば、給料日に金融機関側での開封タイミングが遅れた場合、滞納者が先に預貯金を下ろしてしまうと、差押えができなくなることがあります。このようにタイミングによって、差押えが失敗するケースがありました。―「pipitLINQ差押電子化サービス」を利用して良かった点、悪かった点を教えてください。
良かった点は、差押結果がすぐに照会できること、職員が外出する機会が少なくなったことです。現在、結果が早く分かることで、通常よりも早く次のステップに進むことができます。また、職員の外出が少なくなったことで窓口対応を行えるため、お客様をお待たせすることが少なくなりました。郵送に関しても、従来は各支店に郵送していましたが、サービス導入後は1か所に集約されたので経費削減につながりました。悪かった点は、今の法律では差押業務の完全DX化が難しいことです。今後法律改正により差押えの電子化が進むと考えていますが、今の状況では完全にDX化はできません。他には、金融機関の支店に直接出向くよりも口座凍結時間が長いことです。臨店で差押えする場合には、即時対応するため短時間で済みます。しかし、差押サービスでは以前より凍結時間が長くなっているようで、口座が使えない旨のお問い合わせが増えました。しかし、裏を返せば、本人と会話ができるため、納税相談に繋がったケースもあります。滞納者といかにアポイントを取るかは、非常に重要な業務です。滞納が慢性化している方、なかなか連絡の取れない方と会話ができることから、納税についての説明や相談ができる良い機会として捉えています。
―差押業務の効率化に関して今後注目している点はございますか?

―「pipitLINQ 差押電子化サービス」及びAGSの支援体制について良いところ、改善してほしいところを教えてください。
これ以上の支援体制はないと思います。大きな事故もなく、稼働してからの1ヶ月半クレームもなく稼働できています。営業担当者は非常に小回りが利き、銀行にこちらの要望をそのまま伝えてくれたこともありました。このサービスに関してAGSに改善してほしいところはありません。―当社への今後の期待、要望を教えてください。
AGSへの要望として、トラブル対応も含みますが、若い方々により一層、案件に対して積極的に行動していただくことを期待します。時には社内検討で時間を要することもあるかと思いますが、自らがスピーディに引張っていく、そんなパートナーを当市では望んでいます。今後も情報収集を行い、必要だと感じたら新しいことをどんどん取り入れていきます。逆に必要ないことは止めるもしくは別のサービスへ乗り換えることもあり得えます。常にアンテナを張って業務の効率化を図っていきますので、情報提供をお願いできればと思います。
差押業務を電子化し事務効率改善
pipitLINQ差押電子化サービス
金融機関から行政機関へ滞納処分結果を伝える際、現行法で必要な債権差押通知書の送付に加えて「pipitLINQ差押電子化サービス」の電子データも併せて送付することで、行政機関は滞納処分結果を従来より迅速かつ正確に把握することが可能となります。確認を行う金融機関側も事務手続きの効率化、窓口サービスの充実、郵送コストや紙の削減にもつながります。

※「pipitLINQ®差押電子化サービス」、「pipitLINQ®預貯金等照会電子化サービス」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。