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2024年秋より郵便料金値上げ
企業における影響は
2024年5月、政府は物価問題に関する関係閣僚会議を開き、郵便料金の値上げを了承。10月には手紙の料金が現行の84円から110円に値上げされる見通しとなりました。約30年ぶりのこの値上げは、多くの企業に避けられない経済的影響をもたらす可能性があります。

郵便料金の値上げとその影響
今回の郵便料金の値上げは、郵便物の減少と郵便事業のコスト増大が主な要因です。定形サイズについては25gまでの区分をなくし、50gに統合し一律110円となります。はがきの料金も今の63円から85円に値上げするほか、レターパックや速達料金も3割程度値上げする方針のようです。多くの企業にとって、郵送コストの増加は収益に直接影響を及ぼす可能性があります。インボイス制度の施行や電子帳簿保存法の改定を受けて、経理業務あるいは業務フロー全体を見直し、効率化しようという動きが多くの国内企業で始まっていますが、請求書を「紙に印刷して郵送している」企業はいまだ多く、過半数を占めているというデータも発表されています(出典1)。
このような状況の中、各種書類のペーパーレス化の推進は今後避けて通れない課題となります。請求書や納品書などをペーパーレス化することが、今後の郵送コスト増加を防ぎ、収益への影響を最小限に抑える重要な対策となります。それは郵便料金だけでなく、印刷や封入、切手貼りなどの郵送作業にかかる手間や、書類整理や管理・廃棄のためのコストの削減にも繋がります。請求書を発行したあと、タイムラグなく即時送信ができる点も大きなメリットです。さらに、基幹システムや業務用ツールと連携してバックオフィスのデジタルトランスフォーメーション(DX)化を推進すれば、さらなる業務効率化が期待できます。
コスト削減と効率化のためのDX
2024年1月に発表された「ペーパーレス化に伴う2024年度予算」に関する調査によると、対象となった企業の約6割が2023年に社内でペーパーレスを推進していることがわかっています(出典2)。社会全体が人材不足に直面している中で、郵送代の値上げをきっかけにした DXの推進が企業にとってますます重要な取り組みとなっていくことは明らかです。
DX推進する際には、いくつかの重要なポイントに留意することが求められます。まず、DXは単に技術を導入するだけではなく、長期的な視野で戦略的な計画を立てることが不可欠です。デジタル化が進むにつれて、データの量が増加するため、データのセキュリティとプライバシーの保護がより重要になります。また、DXを成功させるためには、デジタルスキルを持った人材の育成と確保が不可欠であり、外部の専門家やパートナー企業との協力も必要になります。DXは短期間のプロジェクトではなく、技術の変化に柔軟に対応し、常に改善を続ける継続的な経営戦略です。これらのポイントを踏まえ、計画的に DXを進めることで、企業はデジタル化のメリットを最大限に活用し、競争力を高めることができるでしょう。
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出典1:Sansan株式会社「請求書の発行業務に関する実態調査」
https://jp.corp-sansan.com/news/2024/0425_01.html
出典2:ペーパーロジック株式会社「ペーパーレス化に伴う2024年度予算」
https://paperlogic.co.jp/news_20240130/