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鈴木建設株式会社様の導入事例
遠隔作業支援ツール「LiveOn Wearable」

鈴木建設株式会社様の導入事例
▲(左より)鈴木社長、更生事業部・靏巻部長

 鈴木建設株式会社様では、2022 年1 月より作業の様子をリアルタイムの映像で確認できる遠隔作業支援ツール「LiveOn Wearable」をご利用いただいています。今回は、サービス導入の経緯や検討時における選定のポイント、導入効果等について鈴木建設株式会社の鈴木社長、更生事業部の靏巻部長にお話を伺いました。

若手育成・人材不足の解消を目指して

― 「遠隔現場支援ツール」の導入を検討されたのは、いつ頃、どんなきっかけからですか?

 2020 年12 月頃から若手の育成や人材不足を補えるツールの導入を検討していました。当初は、遠隔現場支援ツールに限らず若手育成・人材不足を解消できるものがないかというところからスタートし、検討を重ねていく中で遠隔現場支援のツールであれば、このような問題を解消できるのではないかと考えました。

― 「LiveOn Wearable」はいつ、どこで知りましたか?また、どのような第一印象を持たれましたか?

  取引先の金融機関担当者から紹介を受けました。このようなツールの取扱いがあるのだと最初は驚きましたが、金融機関が使用しているWeb 会議のツールを活用したものであればセキュリティ面での問題はないと思いました。
  他の遠隔現場支援ツールではZoom を使用している場合が多いですが、金融機関ではセキュリティの関係上Zoom の使用を禁止または限定しています。その金融機関が使用しているWeb会議ツールを活用しているのであれば、それ以上の信用はないと思います。

― 他社との比較はされましたか?なぜ最終的に「LiveOn Wearable」の導入を決めたのか、理由を教えてください。

  防犯対策や施工管理のツール、市販の遠隔支援ツールと比較しました。その中で「LiveOn Wearable」導入を決めたのは、やはり金融機関が使用しているツールのためセキュリティの問題がないということ。金融機関からの紹介されたAGS であれば、きちんと対応してくれると思いました。最終的には、AGS の担当者の熱意に押された形です。

― トライアルを実施した感想で第一印象とのギャップがあれば教えてください。

 トライアルでは、使いにくいという印象でした。室内で使用する分には問題ありませんが、現場で使用するには使い方をきちんと考えないと使えるものにならないと感じました。やはり電話のようにはいかないなと。音声の途切れや各種設定など、実際に現場で使用できるよう調整が必要で、自分たちの使いやすい仕様になるまで時間がかかりました。
 最初のうちは何度かシステムダウンしていましたが、夜でもAGS の担当が対応してくれましたので助かりました。また、メーカーも最初のうちは形式的な対応でしたが、途中から現場に寄り添い、きちんと対処法を考えるようになったと思います。導入時にも感じていましたが、トライアルを行ってみて、このツールは現場で使用できるよう一緒に作り上げていくものだと思いました。

― 今現在、「LiveOn Wearable」をどのように活用していますか。また、利用により改善・向上されたことを教えてください。

 夜のうちに充電をして、朝出社したら現場に持って行っています。朝礼後、現場を開始するときにヘルメットへ装着して電源を入れますので、9 時頃には各現場とつながります。そこで一度事務所と現場とのやり取りを行い、それ以降は何か質問や確認事項があれば現場から声をかけてもらうようにしています。
 また、自治体からの検査前に行う社内検査時には現場の様子を投影してチェックを行っています。これまでは各現場に実際に訪問して行っていましたが、訪問する必要がなくなったためかなり手間が削減できたと思います。
 一方、現場では監視されているという意識が強く、導入当初はかなり抵抗がありました。現場が直接映らない端の方にいる人のヘルメットにカメラを装着するということもありました。そのため、通信中は監視していると思われないよう、気になることがあってもその場で指摘はせず、現場から戻ってきた際にフィードバックするようにしています。
 また、建設業では作業員が作業の途中で帰ってしまい、費用だけ請求するという問題もありましたが、カメラが抑止力となり、こういった問題は減ってきています。建設業の悪しき習慣を消すことにもつながっているため効果は相当高いと思います。

人材育成と情報共有のスピードアップだけでなく技術の向上にも

― 「LiveOn Wearable」を利用して、良いところ、悪いところを教えてください。

 人材育成と情報共有のスピードが上がりました。また技術の向上につながっていると思います。導入前までは現場に直接行って指導しなければなりませんでしたが、現場での判断など意思決定が苦手な人を遠隔で指導出来るようになりました。言葉だけでは説明が難しい部分も映像で見せることができるのでお互いに分かりやすくなったと思います。現場も相談しやすくなったのか、どんどん相談が来るようになりました。また、現場に行かなくて済むようになったため、書類の作成など他の作業に時間を使うことが出来るようになりました。
 元請け会社からの評判も良いです。これだけのことをやっているので少し費用が高くても理由がきちんと説明できますし、次も鈴木建設に頼もうと思っていただけています。遠隔現場支援のツールを固定式の工事で使っているケースはありますが、当社のような移動式の工事で使っているのは珍しいと思います。そのため、業界内での関心も高く、東京都の職員や大手ゼネコンが現場に写真を撮りに来ています。
 安全管理という意味では、カメラはずば抜けています。リスクを早期に発見し、安全に対する意識を向上する効果があると思います。現場では、頭で危ないと分かっていながら危険な行動をし、事故につながるケースが多いです。カメラを導入してからはそういった行動が減り、事故がなくなりました。現場も整理整頓され、きれいになりました。安全のための手間をかけるようになったと思います。
 改善して欲しいこととしては、本体のスピーカーの位置です。位置によっては装着している人が聞こえづらいことがあります。また、もう少し軽量化されると良いですね。
 画質について他社製品より良いと聞いていますが、もっと見やすくなるよう改善をしてもらえると、リアルタイムのやり取りがスムーズになり助かります。
 また、1 台のパソコンで接続できる先の数を増やしていただきたいです。こちらは対応予定だと聞いています。接続時にはこちらから呼び出しをせずに、電源を入れた瞬間に画面上に表示されるようにしていただきたいです。

― 当社への今後の期待、要望を教えてください。

 建設業に特化しているわけではないとは思いますが、DX に向けた現場に寄り添った良いサービスを作って欲しいです。今後はデジタル化を進めることが他を淘汰する材料になると思っていますので、当社としても協力は惜しみません。
 例えば、顔認証やサーモカメラを使用した熱中症の予防対策。図面のやり取りをiPad で行い、ウェアラブルカメラと事務所をつないだ打合せの実施。現在は紙に書いている計測値を将来的にはiPad 等で入力させ、データを即時事務所に転送するなど実現したいことはたくさんあります。写真も撮影した瞬間にサーバーに転送する仕組みがあれば、撮り忘れ防止にもなるのではないかと考えています。
 DX 推進は、どうしても部分適用になってしまうことが多いので、可能であれば連携させたいです。
 また、働き方改革のためにはDX を推進することが重要になります。仕事を増やすためには今までと同じやり方では作業時間が足りないと感じています。当社はサーバーに情報を集約し、他社より早いスピードで対応していますが、それでも現場の数が増えてくると間に合いません。クラウドサービスなどを活用してさらなるスピードアップを図りたいと考えています。

作業の様子をリアルタイムの映像で確認
遠隔作業支援ツール「LiveOn Wearable」

 「LiveOn Wearable」は、LiveOn とスマートグラス(ウェアラブル端末)を組み合わせることで、作業者の映像をリアルタイムに確認し、Web 会議の映像と音声で作業をリモートで支援できるアプリケーションです。  
遠隔作業支援ツール「LiveOn Wearable」